2024/07/01

北九州市門司。
門司駅の海側に広がる門司赤煉瓦プレイス。
1913年(大正2年)から2000年(平成12年)までビール工場として稼働していた赤煉瓦の帝国麦酒醸造棟に目を奪われがちだが、同じ敷地内には”北九州らしい”煉瓦建築もあるぞ。
【帝国麦酒旧事務所棟(ていこくビールきゅうじむしょとう)】だ。
現在は門司麦酒煉瓦館として、貸しギャラリーやビールの歴史などを学べる博物館として活用されている。
何が”北九州らしい”かと言うと、製鉄時に鉄鉱石から鉄を取り出した後の副産物から作られる”鉱滓煉瓦”造の2階建て建築なのだ。
この【帝国麦酒旧事務所棟】の竣工は1913年(大正2年)、鉱滓煉瓦の生産が始まったのが1907年(明治40年)頃だと言われているので、極めて初期の、かつ大型の鉱滓煉瓦建築だと言える。
お隣の醸造棟に対して事務所棟として稼働していた。
こんな所で働きたい!(レンガスキーの妄想)
さて、この鉱滓煉瓦の帝国麦酒旧事務所棟だが、目に映える赤煉瓦の醸造棟に比べると色的に地味に見えるが、そのこだわった作りには目を見張る。
正面から見ると美しく左右対称。
中心にそびえる玄関とファサード、突出した塔屋(とうや)がまず目に入る。
屋上の高欄にも設計者である林栄次郎の並々ならぬ美的センスが光る。
その他、細部にもこだわりを感じさせる装飾だ。
門司麦酒煉瓦館でビール醸造と帝国麦酒の歴史を学んだ後は、改めてそ鉱滓煉瓦の事務所棟を見上げてみよう。
関門海峡を見続けた歴史の証人が、何かを語りかけてくれるはずだ。
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コメント
[…] 窓から見えるお隣は帝国麦酒旧事務所棟だ。 […]
by キタキューヘリテージ Kitakyu Heritage 近代化遺産キタキューヘリテージ Kitakyu Heritage 近代化遺産 2024-03-14 23:38