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人々が動き始めた【門司港駅】(部分開業)

time 2018/11/10

人々が動き始めた【門司港駅】(部分開業)

2012年(平成24年)、老朽化した駅舎の修復復元工事が開始されてから6年、その姿が徐々に現れ始めた。

全面開業予定は2019年(平成31年)の3月だが、先行して2018年(平成30年)11月10日、一部の駅機能が動き始めた。

【門司港駅(もじこうえき)】だ。
当初の工期からはいくらか遅れたが、この日駅の一部が機能を始めた。

いよいよ真正面の通路が解放され、正面玄関へ赴くことができるようになった。


↑改修前
修復前のとの大きな違いは「庇(ひさし)」がなくなったこと。
1929年(昭和4年)に車寄せのために設置された庇は、今回の修復では「できるだけ創建当時の姿に寄せる」とのコンセプトから取り払われることとなった。


この日の部分開業ではまだ一部の庇は残っていたが、グランドオープンまでにはなくなることだろう。

外観では時計はすでに動き始めている。


金属部分はあらゆるところでステンレスや鉄ではなく銅や真鍮が使われていた。

失われていた屋根の装飾も再現された。

◇◇◇

それでは正面エントランスより駅舎内へと入ってみよう。

足を踏み入れると広いコンコースが現れる。

一直線に改札へと続くが、すぐ左手には”みどりの窓口”左奥には”きっぷ売り場(券売機)”がある。

重厚な木枠に囲われた奥には窓口が設置され、おなじみのみどりの窓口として機能が始まった。

中には大きな鏡とマントルピース(暖炉)

現代では実際に火が灯る事はないだろうが、当時を偲ばれる貴重なものだろう。

鏡との間には「西洋料理喫茶所 REFRESHMENTS UPSTAIRS」の文字が。

訳すと「憩いのお食事処は2階」と言ったところだろうか。実際に2階にはかつて「みかど食堂」と言う名のレストランがあり、その名を継ぐ洋食店が駅のグランドオープンの際に開業する予定だ。

天井は高く、重厚で落ち着いた雰囲気はこの先の旅を見守ってくれるようだ。

一旦コンコースに出て左手。

自動券売機は2機、少ない気もするがICカードが一般的になってきた昨今、必要十分なのかもしれない。

自然な格好で車いすに対応しているのも素晴らしい。

L字型に配置されたきっぷ売り場だが、券売機の他は5箇所の有人発券窓口。

実際に稼働するのかは不明だが、非常に雰囲気が良い。

券売機の向かいにはなにやらかカウンターが。

まだどうなるかは不明だが、それはグランドオープンのお楽しみにしておこう。

きっぷを買ったら改札へ向かう。

自動改札。

落ち着いた色合いになっているのも駅舎との調和のためだ。

今回の部分開業では、エントランスからコンコースまでの一部の駅機能だが、グランドオープンでは1階の「スターバックスコーヒー」、2階の「みかど食堂」と普段使う方や観光で門司港を訪れる方々の憩いの場となる施設が同時開業する。

100年の時を経て生まれ変わり、またこれからの100年を見続ける【門司港駅】

何度来てみてもこの駅舎に想いを馳せてしまうのは、駅舎自身が見てきた歴史と人々のドラマが、訪れる人を寛大で大らかな空間で包んでくれるからに違いない。

Kitakyu Heritage
Written by Taka

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Taka

Taka

1981年生まれ 北九州市門司区在住 愛車はVolkswagen The Beetle / Vespa LXV125 / Moto guzzi V7(850)  かつてはカフェ勤務経験ありのコーヒー好き。調理師免許所有。街歩き 人間観察 ひとり旅 基本陰キャのコミュ障。悩みは飼い犬(ミニチュアピンシャー)が懐かない事。 人と人、歴史の点と点、結びつければ歴史が紐解かれる。


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