キタキューヘリテージ  Kitakyu Heritage

再び眠る【大畠の小倉鉄道煉瓦橋台跡】

time 2013/01/29

2012年7月、ある情報が舞い込んできた。
情報源はTwitterだったが、夜勤明けで睡眠もソコソコなのに飛び起きて出かけた。
小倉鉄道の遺構が見つかったらしい』

その遺構の少なさから地元の人ですら知らない人も多いが、現小倉駅から門司側に一つ行くと、”東小倉駅”と言う駅がかつてあり、
それを起点とし、砂津・富野・足原・黒住・霧が丘・水町エリアを抜け、日豊本線をオーバークロスし、現在の日田彦山線石田駅まで続く線路があった。
”添田線””日田線などと鉄道会社や路線名を変え、1956年(昭和31年)に現日豊本線城野-石田間に短絡線が出来ると、旅客営業を廃止、1962年(昭和37年)に貨物支線も廃止され、その姿を消す事となる。
なぜ、ここに線路が通っていたか。
それは足立山のふもとはかつて採炭地であり、『小倉炭坑』で栄えていた為だ。
小倉に炭坑?と思うのも無理はない。
その遺構は皆無と言っていい程で、筑豊にはシンボルとしてそびえるボタ山もこのまちには無く、資料も少ない。
当時を知る者だけが、その存在を伝えているだけなのだ。
小倉炭坑については資料をまとめ中なので、また改めて紹介します。
さて話を戻し、小倉鉄道の遺構を見に行った。
場所は小倉北区大畠(おおばたけ)。
住宅の新築工事中、地面を掘り起こすとこんな煉瓦遺構が出てきたと言う。

【大畠の小倉鉄道煉瓦橋台跡】だ。

イギリス積みの橋台は重機と比べて解るように、かなりの大きさがある。
この場所は以前駐車場であり、宅地の為掘り起こすとこれが出てきた、という訳だ。
2012年7月26日の写真だが、工事現場の方に話を伺ってみると、数日中には取り壊されると言う事だ。
そりゃあそうだ。歴史的価値があるかもしれないが、納期もあるだろうし、権利者から言わせれば夢のマイホームを邪魔する迷惑な存在だったのかもしれない。
それでもこのように綺麗に掘り出してくれているのは、とてもありがたい。
北九州教育委員会の方やマスコミ、当時を知る人達、その筋のマニア(笑)も訪れて在りし日を偲んだ。

反対側からの写真。この小川を越える為の橋梁があったのだろうか。
次の写真は8月12日。

橋台の大部分は取り壊され、基礎の上に鉄筋が配置された。
続いて9月9日。


コンクリートが壁を作り、橋台跡は再び土の中へと埋まってしまった。
12月10日

まだ工事は終わってないが、すっかり立派なお宅が建っている。
エントランスの足下僅か数十センチ下には、まだ煉瓦橋台が残っているはずだ。

この場所からかつての線路跡を見渡すと、不自然に建物の基礎が高い位置にあることが解る。
「小倉炭坑発掘記」と言う書籍を見る限りでは、盛土があり、そこへ線路が敷かれ列車が走っていたようだ。
これは、古い写真や当時の記憶で描かれた絵画などにも表されているが、転載が出来ないので残念ながらここでは紹介出来ない。
その名残だろう。
僅かながら残る小倉鉄道の遺構で、一番有名なのがこれだ。
”足原一丁目西交差点”を北へ一歩入ると見る事が出来る、神岳川に架かる煉瓦詰みの橋台跡だ。
その上にはビルが建っているよ。

同じく煉瓦はイギリス詰みで、角は花崗岩で組まれている。
それと、これは普通の人なら見る事が出来ない場所にあるが、こんな煉瓦遺構も見つけた。

ちょっぴりグレーゾーンな場所を通って今は暗渠となっている道路の下へ潜ると、僅かながら煉瓦の橋台らしき遺構が。
線路跡と一致するので、恐らく小倉鉄道の遺構だろう。
「廃線を探すなら川を行け!」の賜物である(笑)
時を超えて姿を現した煉瓦橋台跡。
すっかり変わってしまった世界に驚いたのもつかの間、再び地中へと埋まる事となる。
それは悲運か?
少なくとも僕はそうとは言わない。
かつては石炭や多くの人々のドラマを乗せて走った列車。
それを支えたこの煉瓦橋台。
移り変わる時代に翻弄されながらも、大きな誇りがあるに違いない。
遠い将来、また姿を現すその時は、ここに鉄道が走っていたという事実を誰かが知っていてほしいものだ。

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コメント

  • SECRET: 0
    PASS: 1f0ba8d4c2ffc4c18e1246affc719275
    もしかしたら、そのtwitter、Oさん?
    であれば、私がネタ元だったかもしれないです。
    この暗渠の場所は、ちょっと想像がつかないのですが・・・
    妙見駅跡地近くの、暗渠は潜らずに比較的容易にレンガ
    積みが観察できる場所があります。この付近でしょうか?
    あの橋梁の発掘以来、東小倉から石田駅付近まで徒歩で
    線路跡をトレースしてみましたが、線路位置や痕跡、なんと
    なくわかってきたところです。
    http://blogs.yahoo.co.jp/beyan39/33568503.html

    by べーやん €2013-05-09 01:33

  • SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    正解です(笑)
    べーやんさんの事も存じ上げておりました。
    早い情報で見逃さずに済みました、ありがとうございます!
    暗渠はブログに添付しているGoogleマップの上部にある緑のポイントの辺りです。
    廃線巡りは楽しいですね〜。添田線は痕跡が少ないですが、地図を見るとなんとなく見えてくるのでおもしろいです。

    by Taka €2013-05-09 08:53

  • SECRET: 0
    PASS: 1f0ba8d4c2ffc4c18e1246affc719275
    あー、この小川って、古い地図や、小倉炭鉱発掘記の
    絵図に描かれてますね。この辺、かなり探索したので
    すが・・・
    参考になりました。
    行くのは無理そうですが(笑)

    by べーやん €2013-05-10 23:47

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    PASS: 1f0ba8d4c2ffc4c18e1246affc719275
    実はこのすぐ近くの旧線路上に息子の友達が住んでいて、
    痕跡ないか調査してもらったのですが何も出なかったです
    (笑)
    寿山小学校の「昭和の部屋」も、まだ見学できてません。
    娘が通っているうちに、なんとか行きたいと思ってます。

    by べーやん €2013-05-10 23:50

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    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    川には遺構が遺りやすい様なので、要チェックポイントですね。
    改めて添田線をトレースしてみました。
    http://kitaqheritage.blog.fc2.com/blog-entry-24.html
    足原エリアの煉瓦橋台はアクセスしやすいので、行ってみてください。
    Googleマップにポイントしていますので、参考にされてください。
    小倉炭鉱に関してもいろいろ知りたい事が多いので、何かありましたらご連絡下さい〜。
    今後もよろしくおねがいします。

    by Taka €2013-05-10 23:58

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北九州市在住。ベスパとハーレー、両極端のバイク乗り。北九州を愛し、北九州の魅力の再発見に余念が無い。人と人、歴史の点と点、結びつければ歴史が紐解かれる。