2024/07/01
関門海峡を望む足立山系には明治期の要塞跡が数多く遺っている。
その中でも森の奥深くに、当時のまま遺っている【高蔵山堡塁】(たかくらやまほるい)を紹介します。
下関要塞のひとつとして明治32年2月着工、明治33年(西暦1900年)12月竣工。太平洋戦争終戦まで陸軍の管轄下でした。
下関要塞の遺構は数多く、終戦後取り壊される物、あるいは放置され自然と朽ちてゆくもの、戦争を伝える為に整備されて遺っているもの等がありますが、この高蔵山堡塁は、登山道を歩いた森の奥深くにある為、落書きや破壊のいたずらを受けずに、そのままで遺っている珍しいケースだと言えます。
訪れたのは梅雨入り直後の6月。
小倉南区の「高蔵山森林公園」ここに堡塁跡への登山口があります。
愛車Trickerで来たけど、車を駐められるスペースもあるよ。
一応登山なので、低山とは言え最低限の装備は必要ですよ。
Takaはこの為にトレッキングシューズを買いました(笑)
登山道を日頃の運動不足を祟りながらヒーヒー言いながら登って行きます。
とは言えほとんどが緩やかな登山道なので、自然を満喫しながらゆっくり登って行くと良いよ。
いくつかの分岐がありますが、「高蔵山広場」を目指して歩く。
石垣なんかも当時の物だろうか?
誰が付けたか「高くらのしずく」という水場があるので喉を潤すのも山行ならでは。
山頂と高蔵山広場への分岐である「もみじ広場」まで来ればもう少し。
陸軍関係の杭や煉瓦の欠片なんかが徐々に現れてくる。
深い森の道が突如ひらけると、そこが高蔵山広場だ。
【高倉堡塁跡】
いろんな資料には「蔵」「倉」どちらの記載もあるが正式にはどっちなんだろ?
煉瓦で出来た立派な建造物だ。
8連の倉庫群が静かにそこにある。
100年を越しているとは思えない程美しい。
それも森林奥深くにある為、人の手が入らなかった為だろう。
ここまできてスプレーで落書きしたり、たむろったりする輩はいないだろうから。
中へ入ると奥の方で繋がっているのが解る。
ここを軍人が行き来していたのだ。
倉庫を出て奥へと進むと、半地下になっている建造物がある。
火薬庫だろうか?
自衛官の義弟に聞くと、湿気がたまるから火薬庫には向かない、と言ってたけど・・・。
さすがにビビって中には入れなかったよ(汗)
水関係の施設もある。
階段があるこの場所は砲台跡と思われる。
円形の石積みにも砲座があったのだろうか?
今となってはすっかり木で覆われている。
時が自然と共に風化させてゆく?
木々の間からは平和なまちが広がっている。
この砲台からは一度も火が放たれる事は無かったという。
当時の軍人達は、どんな気持ちでこの場所に立っていたのだろうか。
平和ボケとも言われる日本人だが、時に戦ってきた先人を思うべし。
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コメント
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