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人知れず歴史を見てきた【砂津の九軌用地杭】

time 2013/01/20

人知れず歴史を見てきた【砂津の九軌用地杭】

2000年11月23日にオープンしたチャチャタウン小倉。
1992年(平成4年)10月25日に廃止された”チンチン電車”で親しまれた西鉄北九州線の砂津車庫の跡地に建設された。
かつては門司方面、黒崎方面へと走る路面電車の車庫として、ひっきりなしに電車が行き来していた場所だ。
この場所には1908年(明治41年)”九州電気軌道”の本社が置かれ、1942年(昭和17年)に西日本鉄道(西鉄)となる、言わば”西鉄発祥の地”である。
チャチャタウン、と書いたが、を国道199号線を挟んで向かいにある西鉄バスセンターももちろん”九州電気軌道”の敷地だった場所だ。
広大な土地は車庫への幾重に分岐した引き込み線や、煉瓦積み建物や無骨な工場、複雑に入組んだ空中の架線など、幼心になんとも異様な風景だった事を記憶している。
時は流れ現在。
赤い観覧車の商業施設と、各地へと向かうバスのターミナルへと変貌を遂げた砂津だが、ひっそりと当時を偲ぶ遺構が遺っている。

【九軌用地杭(きゅうきようちくい)】だ。
正確な設置時期は不明だが、九州電気軌道が設立された頃と仮定すると優に100年を超えている。
この小さな遺構は現在の西鉄砂津バスセンターの裏手にある。

やっぱり観覧車からの眺めだぞ。
以前紹介した上砂津橋水道橋を目印にすると場所が解りやすい。

水道橋の横の路地を行くとバスセンターの壁沿いに見つける事ができるだろう。

ひっそりと路地裏に鎮座し、移り変わる時代を見てきた用地杭。

その角は長い年月により削られるも、静かでも且つ大きな存在を主張するその姿は逞しくも感じられる。

足蹴にしてるんじゃないぞ、愛でているのだよ。
路地裏にひっそりと佇み、歴史に名を残すでもない遺構だが、力強い書体とその存在感は今も健在である。

おまけ
用地杭を観察した跡は振り返ってみてほしい。

重厚な鉱滓煉瓦で積まれた蔵だろうか?

細かいディテールも素敵な建造物もある。
こんな古い建造物があるのも歴史ある砂津ならでは、と言った所だろうか。

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Taka

Taka

1981年生まれ 北九州市門司区在住 愛車はVolkswagen The Beetle / Vespa LXV125 / Moto guzzi V7(850)  かつてはカフェ勤務経験ありのコーヒー好き。調理師免許所有。街歩き 人間観察 ひとり旅 基本陰キャのコミュ障。悩みは飼い犬(ミニチュアピンシャー)が懐かない事。 人と人、歴史の点と点、結びつければ歴史が紐解かれる。