2024/07/01
北九州市戸畑区一枝(いちえだ)
【旧松本家住宅(きゅうまつもとけじゅうたく)】
ハーフティンバー形式の洋館は見る者を魅了するが、その隣も魅力的な建築がある。
これは辰野金吾の設計ではないが、書院造りの純和風住宅が建っている。
細部にまで装飾の施されリズミカルさを感じる洋館とは打って変わり、落ち着いた佇まいの日本館だ。
日本館と洋館は、言うなれば、”静と動”だろうか。
1911年(明治44年)竣工で建築当時は木造平屋建てだったが、1921年(大正10年)頃に一部二階建てとなった。
設計は洋館の建築監督をした久保田小三郎だ。
内庭を見渡せる廊下。
板ガラスは当時の物だろうか?少しいびつだが、窓を開放せずとも内庭を明るく見渡す事が出来る。
やはり庭は手入れが行き届いていた。
石灯籠には三猿、「見ざる・聞かざる・言わざる」
床の間や違い棚など、典型的な書院造りだ。
欄間には日本人が美しいと感じる自然の雪・月・花を表した『雪月花(せつがつか)』が施されている。
女性を褒める時に使おうと思う。
照明の取り付け部には有田焼?陶器の物があった。しゃれとるね。
アーチを付けた鴨居も素敵。でも現代人は頭をぶつけた(痛)
さて、赤絨毯を敷いた階段を上って2階へ。
やはり大きなガラス窓になっている廊下は庭が見下ろせる。
ガラス枠には小さなハートが。
ふたりの距離が縮まる事うけあい。
2階部は増築されたのだが、隣の洋館も目の高さに見る事が出来る。
洋館のステンドガラスも外側から見られるよ。
西洋建築と日本建築が共存している美しい【旧松本家住宅】
公開はされていないが、2棟の蔵も含めて国指定の重要文化財だ。
その豪華さに目を奪われがちだが、この場所で過ごした人間がいた事を忘れないようにしたい。
贅沢で華やかであった事は間違いないのだろうが、我々と同じ人間だ、苦悩もあったことだろう。
今でこそ文化財として保存活用されているが、かつては松本健次郎の一家団欒の場として家族と寝食を共にしていたのだ。
そう考えると、扉を開ける時に少しばかり緊張してしまうのだ。
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コメント
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