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写真で振り返る改修前の【門司港駅】

time 2018/10/16

写真で振り返る改修前の【門司港駅】

2012年(平成24年)9月より5年半の予定で大規模な改修が始まった鹿児島本線起点の駅。

改修以前の姿

「素屋根」と呼ばれる駅舎全体を覆う建屋でその姿をしばらく見ることは出来なかった。

少しばかり工期が延び、2018年(平成30年)夏にフェンス越しだが素屋根が撤去された姿を見ることが出来始めた。

みなさんおなじみ【門司港(もじこう)駅】だ。

もっと近くで見たい気持ちは抑えて、2019年3月にグランドオープンするまでもう少しお預けしよう。

今回は2012年(平成24年)、大規模改修の直前に行われた門司港駅バックステージツアーを振り返り、改修前の写真とともに紹介しよう。





今回の改修で見た目の中で大きく変わるのが「庇(ひさし)」の撤去だ。

庇は車寄せのため1929年(昭和4年)に設置されたが、1914年(大正3年)の創建時の姿にできるだけ近づこうと言うコンセプトで今回撤去されることになった。
創建後の1918年(大正7年)に取り付けられた正面の大時計は九州初の電気時計という歴史的価値のため、これは残すそうだ。



駅をよく利用されていたらリベット留めされた庇の鉄筋を懐かしいと感じる方も多いだろう。


竣工年月である大正3 1の文字が。


改札口は現代では仕方がないが、自動改札が採用されることは間違いない。しかし落ち着いたカラーリングが施されたり調和できるスタイルにはなるだろう。

JR管内では特別に門司港駅の駅員の制服がレトロだ!(写真は2012年当時の駅長)


改修前の待合室。
改修後は1階にスターバックスコーヒーの出店が決まっている。

駅向かいのコンビニが落ち着いたカラーの看板を設置していることもあって、ここの緑基調のロゴももしかしたらこんな風になる?あくまでイメージだ

1階にはコーヒーショップ、2階にはレストランの開業が決まっている。

2階部分は改修後に洋食のレストランとしてオープンするぞ。

店名は「みかど食堂」



改修前は立ち入りができなかったが、赤絨毯の階段を上った先、開業当時から1981年(昭和56年)の閉店までここには食堂があった。
その名こそ「門司みかど食堂」
そう、この度改修でその名を冠した食堂が再び復活することになったのだ。


「フィンガーボウルの水をぐいっと飲んじゃった」というベタなエピソードももつ歴史ある名前の食堂だ。
改修後は有名な洋食店がプロデュースすることになるという話だ。

食堂あればバックヤード、キッチンももちろんあった。

いつの物かもわからないような瓶やツボなどが無造作に転がっていた。



駅舎屋根にある窓の真裏だ。



電線を繋ぐ陶器製の碍子(がいし)が剥き出しの屋根裏。



ポスターには「昭和41年」のハンコが。




とめどなく動き、変わっていく時代の中で、記憶の隅に止まっていた時間がまた動き出そうとしている。

グランドオープンは2019年(平成31年)3月の予定。
美しく改修された門司港駅は次の100年につながる人々のドラマをどう彩るか。

Kitakyu Heritage
Written by Taka

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Taka

Taka

1981年生まれ 北九州市門司区在住 愛車はVolkswagen The Beetle / Vespa LXV125 / Moto guzzi V7(850)  かつてはカフェ勤務経験ありのコーヒー好き。調理師免許所有。街歩き 人間観察 ひとり旅 基本陰キャのコミュ障。悩みは飼い犬(ミニチュアピンシャー)が懐かない事。 人と人、歴史の点と点、結びつければ歴史が紐解かれる。