2024/07/01
広大な山肌の平尾台を望む。
平尾台方面から1919年(大正8年)に完成した【春吉の眼鏡橋】に抜ける最短ルートがある。
県道28号線。
その入り口は非常に解りづらいが、日田彦山線石原町駅付近、国道322号の旧道添いから小さく「菅生の滝→」と書いている看板が目印だ。
民家の入り口と思って通り過ぎちゃったぞ。
非常に狭く車一台がやっと通れる様な道だが、地元の人達には生活道路らしく、車の往来が極端に少ない訳ではない。
今回はバイクで行ったが、車じゃ離合困難。
最短ルートでカーナビがオススメしても、運転に自身の無い方は迂回が懸命。
針葉樹と竹林の少し苔むした狭い道を進むと、ほどなくしてトンネルの入り口が見えて来る。
【櫨ヶ峠隧道(はぜがとうげずいどう)】だ。
難しい漢字だが、”ハゼ”の木の”櫨”
1931年(昭和6年)竣工、延長は意外と長い280mのこのトンネル、春吉地区から石原
町へと抜ける訳だが、その建設された経緯は不明。
その頃にはすでに日田彦山線(当時は小倉鉄道添田線)は開通していたので、石原町駅へと抜けるルートとして整備されたのだろうか。
立派な扁額にはしっかりと[道隧峠ヶ櫨]と記されている。
コンクリートによる坑口だが、ブロックのアーチに要石、帯、アーチに沿った三角形状の模様など、装飾性もあって美しい。
両側共にデザインは同じ。
内部は素掘りでコンクリートを吹き付けてあるが、平尾台も近い事で鍾乳洞にいるかの様な錯覚もある。
実際、ポタポタと水が落ちて来たりもするし。
補修中なのか、黒いネットが張ってあったよ。
しかし、恐らく心霊スポットとして来る様な人もいるのだろう、内部に落書きがあり残念。
春吉側の坑口脇には湧き水もあるが、そのまま飲むのはやめたほうがいいかも。
その水のせいか、バイクにお客さんが乗って来てたよ。
危うく連れて帰る所だった(汗)
照明も灯っており、だてにふた桁県道の肩書きがあるわけじゃないぞ。
対向車が来たら焦る事うけあいのこの【櫨ヶ峠隧道】
戦時中は陸軍の弾薬庫として使われていたと言う。
それでも地元の人達にとっては無くてはならないトンネルなのだろう。
小さなトンネルは今日も大きな役割を持って、静かに人を迎えるのだ。
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コメント
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5年前、当時乗っていたワゴンで何の予備知識も無く
通ったことがあります。T車のDVDナビに出てきたので
なんだろうとチャレンジ。そのすぐ後に乗り換えたH車
のナビには表示もされず・・・トンネルもですが、前後の
道路の狭さは・・・(苦笑)
by ベーやん 2013-08-23 23:26
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ワゴンであの道は手強いですね。
地元民と思われる対向車も少なく無いですし(汗)
ナビにすら出ないトンネルですか・・・
でもまた訪れたい魅力がありますね〜(笑)
by Taka 2013-08-24 09:28